9/18/2014

さよなら李香蘭




李香蘭こと山口淑子さんが先日亡くなった。



日本の満州進出時代、日本国経営の映画会社、満映で中国人女優、李香蘭として活躍した看板女優。

しかし彼女は生まれこそ満州だったけれど両親は日本人で山口淑子という名で戸籍もあるれっきとした日本人だった。

でも活躍当初はそれを公にはしていなかった。



終戦後、親日家である漢奸(漢民族の裏切者・背叛者)の多くは死刑となったが、李香蘭は日本人であると証明されたため無罪となり処刑は免れた。

その後、日本へ帰国し、政治家として長年活躍。



10代の頃の私は、ラストエンペラーという映画の熱烈なファンだったため、同じ時代背景で満州建国の激動の時代を李香蘭と山口淑子という名前も国籍も違うキャラクターをもって生き抜いた彼女の人生にただならぬ興味と憧れをもっていた。



もちろん、当時では珍しい凹凸のある顔立ちと大きな目が印象的なエキゾニックな容姿に憧れをもったというのもあるけれど。









戦争は良くないと思う。



幸せな家族や恋人を「戦争」という魔物が引き裂いてしまう。



すべての人を意味もなく不幸にしてしまう。







でも一方で、戦争が終わった先の未来に希望を見いだし、それを糧に生きている人も多かっただろう。

そして、戦時中だからこそ味わえた小さな幸せもあっただろう。

戦時中だからこそ成功をおさめた人もいただろう。



李香蘭はそんな人間の「希望」や「夢」やひとときの「やすらぎ」を与えてくた存在だった気がする。



本人は20代そこそこの右も左もまだまだわからないあまちゃんだったのだろうけど。


事実、最後まで後悔するものの後世に渡って中国人に大非難される「支那の夜」という映画で中国人には屈辱的なヒロインを演じてしまった程だから。



山口淑子さんは94歳まで生き抜いた。



彼女の長い人生で李香蘭でいた時代は20数年。



半分どころか1/3でもないのではないだろうか。





それでも彼女の人生の中で最も輝いていた時代だったに違いない。








何度も言う。



戦争は良くない。



だけれど、そんな激動の人生をほんの少しだけでも垣間みたかったと思う私は

平和ぼけのなにものでもないだろうな。







話はそれるけれど、

国籍っていうのはこういう時にとても重要になるのだな。



大体、李香蘭は生まれが満州なのだから、日本人ではないのではないの?

両親が日本人なら必然的に日本人になるのだろうか?

もし李香蘭が日本人の戸籍を持っていなかったら、

彼女は確実に漢奸として処刑されていただろう。



そこでだ、自分の今後の戸籍というか国籍をどうするか問題について深刻に考えなければならない。



正直、今年日本に帰った時、自分にとって日本は「母国」という気がしなかった。

なんだか異国に来てしまった感覚。



なんでだろう、やっぱりアメリカ暮らしが長いからだろうか。



 今後、アメリカ国籍をとるかどうか真剣に悩んでしまう程だ。



アメリカ人になった場合のメリットはいろいろあるけれど、

やっぱり日本人籍を失ってしまうのは悲しい。

結局アメリカ人になったとしても永遠にWhere are you from?の質問はされるだろうし。



アメリカ国籍を取ったとしても100%アメリカ人になれることはないのだろうな。





まあ、ゆっくりじっくり考えればいいことか。



と話はそれるけれど、

李香蘭の死で

またしても昭和の生き字引を失った感じがする。





本当にさようなら李香蘭。



どうぞ安らかにお休みください。







李香蘭の半生を最近では上戸彩ちゃんが演じていたけれど、

あの類希なる美貌を演じるには物足りない。

エキゾチック美人とはまた違うけえれど同じ「普通の美人ではない」沢口靖子さんの

李香蘭が最高だった!



Youtube でもアップされているのでぜひぜひ見てみてくださいね。



今みかえしても本当に奇麗だわ、沢口さん。




某オーナーの愛人の噂がどうぞ嘘でありますように。もったいなさ過ぎる。